公的機関、大学、企業などに人材育成サービスを提供する、株式会社アクティブ・ラーニング。代表取締役社長の羽根拓也氏は、日米で10年以上教育に携わり、ハーバード大学では優秀指導証書を受けた。人間の成長する力を向上させるプロフェッショナルにお話を伺った。
前に踏み出す力(主体性)が不可欠
アメリカでも語学専任講師として活躍した、羽根氏。日米の学生を比較すると、歴然とした違いがあるという。
「アメリカの学生は、自ら進んで行動することが当たり前。うるさいくらい手が挙がり、時には授業が妨げられるほどです。日本では静かに先生の話を聞くことが良い授業態度とされますが、アメリカでは発言をするなど能動性がないと認められません。学んだことを、アウトプットしなければ意味がないということです。例えば会社では、上司の指示を理解し、言われたことをするのは当たり前。それ以上のことをした時に、初めて評価されます。接客業でも、お客さまが想像している以上のサービスをした時に、非常に高い満足が得られます。自ら進んで行動する時、他の人よりも前に出ることができるのです」
周りから求められた方向に一歩前に出ること。これによって、社会で求められる人材になれるのだ。
積極性×謙虚さ
多くの人が考える主体性は、本来の意味とはズレていると羽根氏は言う。
「やりたいことをやることが主体性と考えるべきではありません。良かれと思って行動をしても、独りよがりでは意味がありません。他の人からフィードバックをもらい、自分のやりたいことに、周囲の意見を反映させることが重要です」
周囲から意見を求める場合、普通に意見を求めても、いいアドバイスはもらえない。羽根氏は聞き方で変わってくるとアドバイスをくれた。
「『どうだった?』と尋ねてしまうと、当たり障りのない感想がかえってきがち。『良い点と悪い点を教えてくれる?』と聞けば、自分では気付きにくい視点を手に入れることができます。他者の意見を取り入れるために、複数の人がいる団体に所属することをおすすめします。できたら何か役職を持って、そこで提案をしてみてください。賛同されるかもしれないし、反発されるかもしれない。でも、そういったフィードバックをもらうことで、必ず自分の成長につながります」
今日の1歩が、未来を100歩進ませる
主体的に行動する。頭では理解できても、動かない方が楽と動き出せない時もある。羽根氏によると、何もしないことこそリスクだと話す。
「確かに、主体性には負荷がかかります。しかし、何もしない方がリスクが大きい。黙ってじっとしていても、世の中は刻々と変化しています。自分自身は動いていなくても、結果的に後退しているのです。行動を止めることは、戦線離脱。社会に背を向けることを意味します。今、踏み出す時に感じるストレスは、10年後の大きなダメージよりもはるかに小さいのです。人には何らかの役割があります。働くのは、社会の役割を果たすこと。社会で何が求められているかを知って、自分は何ができるのかを早く意思表示すべきです。その仕事を任せられるとやりがいもでますよね。仕事の種類は無数にあります。アルバイトやインターンシップなどを利用して、自分の役割を見つけてください」
- 株式会社 アクティブラーニング
- 代表取締役社長
- 羽根 拓也氏
ハーバード大学などで語学専任講師として活躍。独自の教授法が高い評価を受け、1994年、ハーバード大学より優秀指導証書を受ける。日米10年以上の教育活動の集大成として、1997年、「アクティブラーニングスクール」開校。「学ぶ力」を指導育成する教育機関として各界より高い評価を得る。「社会人基礎力育成・評価手法開発プロジェクト委員会」の委員兼FD担当スーパーバイザー。
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