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渡邉美樹 たくさんの“ありがとう”を集めることが、私のライフワーク

外食だけでなく、介護、農業、環境など幅広い分野に展開し、日本中の笑顔をつくる、ワタミ株式会社 代表取締役社長 CEOの渡邉美樹氏。
経験あふれる渡邉氏だからこそ語れる、幸福論、人生論についてお伺いした。

 

「働く」ことは、“ありがとう”の表現方法

小学生の時、父親が会社を清算したことをきっかけに経営を志したという渡邉氏。
 「お客様の笑顔があふれる空間をつくりたいという想いから、外食業界を選びました。大学時代も起業願望を強く持っていたので、早く社会に出たくてたまりませんでした。卒業後は会計のシステム会社に勤め、会社経営に必須となる財務や経理を学びました。その後、起業資金を集め24歳で独立して、1年間、飲食店の店長をしました。お店を出て帰るお客様に『ありがとうございました!』と私が言うと、『ありがとう、美味しかったよ!』というお客様の感謝の声が10倍になって返ってきました。お客様からは、支払っていただくお金の他にも“ありがとう”がプラスされていることに、その時気がつきました。おかげさまで、お店は非常に繁盛しました。私にとって「働く」ということは、“ありがとう”の言葉をいただくことなのです」

 

人の幸せに参加することで自分も幸せに

ニートやひこもりの増加など、一部の若者が働くことに消極的な状況について、渡邉氏は甘ったれていると渇をいれた。
 「誰しもこの国に生まれた責任があります。恵まれた環境を活かして、自分以外の人たちに影響を与えなくてはならないはずです。教育の影響で無責任な生き方を選んでしまうのかもしれません。今までの日本の教育は間違っていたのです。そういった教育を受けてきたことを自覚した上で、“人間の幸せとは何なのか?”といったことをもっと根本から深く考えてみてください。私の幸せは、他の人の幸せが重なり合うことで生まれます。お客様の“ありがとう”という言葉に、私はエネルギーを感じます。誰かの幸せに関わることで、私自身も幸せになれるのです」
 他者の幸せがあってこそ、自分の幸せが成り立つという渡邉氏の幸福論。それは、環境問題への取り組み、カンボジアでの学校設立など社会貢献への精力的な活動にもよくあらわれている。

 

大学は、夢のための勉強場

大学時代、将来は起業をして上場企業にしたいと決意していたものの、ここまで大きく成長するとは思っていなかったと振り返る渡邉氏。
 「大学は、社会に出るための基礎教育を受けるところ。学生の方には、ワクワクと期待を抱きながら、未来につながる準備をしてほしい。そのためには、今のうちから『自分にとって幸せとは何か?何のために生きているのか?』をじっくり考えて、自分の価値観を明確につくってください。大学を偏差値で選んだように、就職先も人気企業を希望するかもしれない。そうではなく、自分の生き方を熟考し、独自の人生観を打ち出すことが重要です。もっと世の中の動きをよく見てください。モデルとなる人物を見つけて、たくさんの知識を吸収してください。読書をするのもいいと思います。そうやって、十分に勉強を積んでから、自分の価値観に見合った企業を選べばいいのです。会社は理念が形になったもの。その理念と自分の価値観を照らし合わせれば、就職でミスマッチは起こりません。まずは自分自身の“想い”を再確認してください」

 

プロフィール

渡邉 美樹氏ワタミ 株式会社
代表取締役社長 CEO
渡邉 美樹

1959年生まれ。明治大学商学部を卒業。1992年居酒屋「和民」を開発。2000年東証一部上場。外食、介護、農業、環境の各分野の事業を展開中。その他、個人として郁文館夢学園理事長、医療法人盈進会理事長、内閣官房「教育再生会議」有識者委員のほか、「神奈川県教育委員会」委員、日本経団連理事、NPO法人「スクール・エイド・ジャパン」の理事長、なども務める。
http://www.watanabemiki.net/

 

「きみはなぜ働くか。
-渡邉美樹が贈る88の言葉-」

(日本経済新聞社)

経営者、15歳に仕事を教える「仕事を生活の手段にするな!」「働く君たちは人生の主人公なんだ!」 外食産業で活躍してきたワタミ創業社長から実体験を基に語られる「仕事」と「生き方」のルール。

 

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