情報の質に敏感になれ
現代は、インターネットにアクセスするだけで、たちどころに様々な情報を得ることができる時代です。今の大学生が入手する情報量は、インターネット黎明期に学生だった私たちの時とは雲泥の差です。しかし、手軽で簡単に大量の情報が入手できる便利さが、一方では情報に対する姿勢を安易にしているようにも思います。ネット上には真偽の確かでない情報や悪意に満ちた情報も氾濫しています。それらの情報に寄りかかって鵜呑みにし、結果、振り回されてはいないでしょうか。
私は16年間現場の記者をしてきて、“情報”として伝えられるのは物事の一部分に過ぎず、その背後にある膨大な事実の積み重ねや、水面下に埋もれた人々の感情を感じることなしに事柄の本質を理解することはできないと実感しています。だから大切な情報は自ら取りに行かなくてはなりません。これは、読売新聞の読者1000万人に対して責任をもって情報を発信する記者の仕事であると同時に、自分が納得できる記事を書くために心掛けてきたことでもあります。
大学生のみなさんも情報過多の中で右往左往しないために、もっと情報の質に敏感になるべきだし、能動的になる必要があると思うのです。
自分を知るためにアクションを起こす
つまり、自分にとって本当に必要な情報については、自らアクションを起こし、自らの五感で感じ、自分なりに何かをつかもうと必死になって欲しいのです。ひょっとすると、そうして追い求めて得た情報でも、結果的には、労せずして手に入れたものとたいした違いがないかも知れません。しかし、そこには情報の質と深み、理解度において天地ほどの差があり、そこでした悪戦苦闘によって、自分自身が鍛えられ成長できます。さらに“自分の軸”となるものがつかめるのです。居ながらにして得た情報や他人の言葉の受け売りで頭でっかちになって、自ら動くことを億劫がっていては決して得られないということを知って欲しいと思います。
自分はいったい何者なのか、何がやりたいのか。自らアクションを起こすには、常日頃から自分自身について真剣に考え、自己分析をする癖を付け、折に触れ自分の考えを実際に文字にしてみる、それを習慣づけるといいと思います。それはあらゆる意味できっと自分のためになるはずです。
東京本社 総務局人事部 主任
大浦 哲氏
1989年入社。東京本社・社会部記者として地下鉄サリン、阪神大震災などの現場取材を経験後、司法記者クラブで最高裁・東京高裁・地裁等を取材。都庁担当、遊軍等を経て、2004年秋から人事部採用担当。この仕事の面白さを伝えることがやりがいの一つ。







